Morris
BMC
BMCというのは旧き佳き1950〜60年代にあった英国ブリティッシュ・モーター・コーポレイションのこと。それまで多くのブランドが割拠していた英国自動車産業が、押寄せてきた米国資本などに対抗するために、大同団結してできたもの。二大大手だったオースティン社とモーリス(ナッフィールド社)が合併。ナッフィールド社に属していたMGやウーズレイ、ライレイなども含め、多くのブランドがすべてBMCから生み出されることになった。
その後も1966年にジャガーを加えてBMH(ブリティッシュ・モーター・ホールディング)、さらに1968年にはレイランド・グループとも一体化してBLMC(ブリティッシュ・レイランド社)になり、懐かしいブランドは次々にフェードアウトしてしまたのだった。
その後も1966年にジャガーを加えてBMH(ブリティッシュ・モーター・ホールディング)、さらに1968年にはレイランド・グループとも一体化してBLMC(ブリティッシュ・レイランド社)になり、懐かしいブランドは次々にフェードアウトしてしまたのだった。
■ モーリス1100/Morris 1100
*MORRIS CLASSIC*
「ミニはオースティン生まれだが、ADO16はモーリスの血統なんだ」
骨の髄から英国車党の大先輩はタバコをくゆらせながらイノウエに講釈してくれたものだ。1960年代の英国自動車産業はちょっとした混乱のなかにあった。いくつものブランドがひとつの傘の下に収まり、「バッジ・エンジニアリング」と呼ばれる手法でいくつもの同型/ブランドちがいがつくられた。
ご存知、英国ミニもオースティン、モーリスのふたつのブランドでスタートしたし、そのひとつ上級モデルとしてつくられたADO16シリーズは、モーリス、オースティンだけでなくライレイ、ウーズレイ、MG、ヴァンデン・プラと実に6ブランドもがつくり分けられていた。1962年から1974年まで、優に200万台を超える数つくられ、ミニと並んでひとつの英国らしさの象徴のようなADO16。わが国ではヴァンデン・プラが特別人気というようなところがあるが、どれもがそれぞれのブランドの特徴をうまく演出していて、興味深いものであった。
そのベイシックに拘ってモーリス1100を採り上げよう。シンプルな横バーのグリル、ふたつの小インディケイター組込みの横長メーター1個だけのメーター周りなどシンプルに徹した結果、ヴァンデン・プラの2/3ほどのプライス・タグであった。それでも、「ハイドラスティック」と呼ばれる素晴らしい乗り心地の足周り、ルーミイでエレガントなスタイリング(ピニンファリーナ・デザインといわれる)など、当時の小型車にして見るべきところの多い、忘れられない存在である。
タヌキネコ says:
ヴァンプラもいいけれど、ベイシックなモーリス1100は、今となっては希少で貴重な存在。これを選んで仕上げたオーナーがすごい。