Mini
ミニ
「革新の小型車」/親しめる顔つきのスタイリング/小気味よい走り/精神的拠りどころ多し/長い歴史と高い名声/ひとつの「ミニ・ワールド」の存在
ワールドという通り、ひとつの世界があり、ミニ自体が細分されることは承知の上で、敢えてミニ全体をまずあげておこう。
ミニはいろいろ乗ったなあ。一番旧いのは、ミニの「試作車」といわれる848ccから、最終期のモデルまで各時代のモデル、いくつものヴァリエイション、さらにはミニ・ベースの怪し気なスペシャル(それには三輪車もある)まで、ほとんどのミニに乗せてもらった。
初期のミニは1速が直歯のギアなので、1速でちょろりとスタートして、すぐに2速にシフトアップ、減速もエンジン・ブレーキなど使わずに、前の信号が赤になったらギアを抜いて惰力で走る、などといった旧い英国車の作法は、なんどか英国人の隣りに乗せてもらって教わった。英国車趣味の大先輩、西端日出男さん(元日英自動車)がまったくその通りの運転をされていたのを思い出す。ただの小型サルーンのくせに、ダイレクトなステアリングの感触、クイックな走りはその気になればなるほど愉しかったりする。
ミニはいろいろ乗ったなあ。一番旧いのは、ミニの「試作車」といわれる848ccから、最終期のモデルまで各時代のモデル、いくつものヴァリエイション、さらにはミニ・ベースの怪し気なスペシャル(それには三輪車もある)まで、ほとんどのミニに乗せてもらった。
初期のミニは1速が直歯のギアなので、1速でちょろりとスタートして、すぐに2速にシフトアップ、減速もエンジン・ブレーキなど使わずに、前の信号が赤になったらギアを抜いて惰力で走る、などといった旧い英国車の作法は、なんどか英国人の隣りに乗せてもらって教わった。英国車趣味の大先輩、西端日出男さん(元日英自動車)がまったくその通りの運転をされていたのを思い出す。ただの小型サルーンのくせに、ダイレクトなステアリングの感触、クイックな走りはその気になればなるほど愉しかったりする。
■モーリス・ミニ・マイナー/Morris Mini Minor
*MINI CLASSIC*
ミニ、英国クラシック・ミニはいくつもの美点を持っている。「Bigger inside, Smaller outside、つまり小さな外寸に驚くほどの室内スペース、それを実現するために、エンジンを横置きして前輪を駆動するという「革新」を50年以上前に果たした。その功績は、ミニをして永遠のアイドルに仕立てている。先駆のメカニズムと理論に裏付けられたミニを所有すること、ミニを運転すること、それはちょっと誇らしいことでもあるのだ。
モーリス・ミニ・マイナー、初期のミニを見て、走らせて感動するのは、もうその時点で充分に完成していた、ということだ。もちろん現代の目で見るとクラシックな香りに満ち満ちてはいるけれど、それでも少し気を使ってやれば、現代の路上をさほど不満なく走ることができる。
外見にしたってそうだ。ドアのヒンジが露出していたり、ドア・ウィンドウが引きちがいの窓であったり、小さなテールランプだったり、「Mk-Ⅰ」と呼ばれる初期ミニの特徴をしっかり備えてはいるものの、間違いなくミニの形をしている。
売らんがためにモデルチェンジを繰り返す商品としてのクルマよりも、どこか気高く残しておきたいもののように思えるのは何故だろう。変わらないことは素晴らしい。そのお手本としてもミニは「価値」があるのだ。