116)MG エムジー MGA

M.G.

MG

MGという名前は、ヴェテランのクルマ好きにとっては憧れのブランドとして、強く印象に残っている。1924年にセシル・キムバーというひとりのクルマ好きによって設立され、MGとはモーリス・ガラージの頭文字だから正しくはM.G.と書くんだ、などという話は先輩から繰り返し聞かされたものだ。MGA、MGB、MGミジェットといった身近かなオープン・スポーツカーは、クルマ趣味入門の格好のアイテムとして、広くその名が知られた。
 なにはともあれスポーツカーの典型というようなものだから、そのテイストはいまでも変わらぬひとつの「お手本」として大いに尊重されるべきものといえる。MGAの前には「Tシリーズ」と呼ばれる古典的味わいの一連のスポーツカー、のちには「MG」のネームヴァリウを活かして、MGFやMG RV8といったスポーツカーを送り出したりしている。  MGは、戦前のうちにモーリス社に吸収されその一ブランドとなり、さらに1952年~BMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレイション)社、1967年~BL(ブリティッシュ・レイランド)社、その後もオースティン・ローヴァ社、ローヴァ社と合併、変更を繰り返し、BMW傘下になったのち、MGはブランドだけがひとり歩きしている。
■ MGA/MGA
*MG CLASSIC*

 MGAはモデル名だから、英国では正しくは「MG MGA」というんだ、と英国車党の大先輩は教えてくれたが、わが国ではMGAで通る。先の古典的なMG Tシリーズ・ミジェットの後継として1955年に登場した。ふたつを並べてみるとよく解るのだが、Tシリーズからは大きく変身したスタイリングは、なによりもMGAを新鮮にみせた。いま見ても、どこにも破綻のないよくまとまったスタイリングだ。それまでフレームの上に乗って運転するが如くだったのを、シャシーを変形させることで低い着座姿勢を実現。現代でも違和感のないスポーツカー・ポジションであることも特筆されよう。  当初1.5Lエンジンで登場、1959年から1.6Lに拡大されて、MGA1600Mk-Ⅱを名乗る。途中、「fhc」モデルが追加されたほか、1958年にはDOHC化したMGAトゥインカムがつくられたりした。初期のDOHCエンジンでなかなか維持が大変だったと訊く。  それにしても、MGAの最大の魅力はスタイリングから醸し出されるその雰囲気に尽きよう。英国紳士を気取るもよし、ちょっとスポーティに決めて攻めてみるもよし、というところ。

One thought on “116)MG エムジー MGA

ヒイキのイケン:

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