Lumborghini
ランボルギーニ
保育社で「世界の名車」シリーズを企画したとき、日本に輸入されているブランド、国産のブランドをすべて採り上げる、というのが目標であった。もちろんランボルギーニも採り上げねばならなかったのだが、例の「ブーム」の折りに輸入元であった「シーサイド・モーター」が1980年に廃業して以来、1984年~ジャクスが名乗りを上げたところで、資料その他もままならず、フェラーリよりもさらに難しい題材であることが解った。
にもかかわらず、ムックをまとめたのはそれだけ興味があったということだ。ちょうどディアブロが登場したときで、早速にイタリア取材に及び、フェラーリ社との対応のちがいに感激したのを憶えている。
にもかかわらず、ムックをまとめたのはそれだけ興味があったということだ。ちょうどディアブロが登場したときで、早速にイタリア取材に及び、フェラーリ社との対応のちがいに感激したのを憶えている。
■ ランボルギーニ・カウンタック LP400/Lumborghini Countach LP400
*LAMBORGHINI CLASSIC*
もう「カウンタック」ではなくて、発音に近い「クンタッシ」と呼ぼうではないか。カウンタック・フリークの第一人者、盟友M嵐さんが提唱するのに賛同はするのだが、どうしてもまだ「カウンタック」の名前がある種の呪文のように離れていかない。
先のP400系ミウラを進化させたモデルとして計画されたものの、産みの苦しみの末にようやくデビュウしたLP400にはじまるカウンタック。走らせて一番はLP5000、完成度という点では最終の「アニヴァーサリイ」などとそれぞれに存在感をみせるカウンタック・シリーズにあって初期のLP400は、シンプルな美しさという点で永遠の憧れの座を確保する。
先のミウラは、エンジンを横置き搭載されていたこともあり、排気量拡大などのこれ以上のパワーアップが望めない。そこでエンジンを縦置きミドシップ搭載する新モデルとして計画されたのがカウンタックだった。もちろん、ライヴァルたるフェラーリ「BB」の登場を予期して、である。
しかしながら、ランボルギーニ社は危機的な状況下にあった。生産はおろか、衝突試験用のプロトタイプもつくることができず、ショウに飾ったモデルがそのまま使われた、という逸話も残る。
しかし、でき上がったカウンタックは天才ガンディーニのつくったプロトタイプに一番近く、美しさを湛えている。おもに資金的理由から、ほとんどミウラ時代そのままのエンジンを縦置きに搭載したハンディはあるけれど、ポップアップ・ドア、全体のウェッジ・シェイプ、リアのホイールアーチなどにカウンタックの特徴を備え、それでいてクリーンで美しいLP400は忘れられない。
スーパーカーの頂点に君臨するカウンタック。個性的なガンディーニ・デザインの発露というものではあるまいか。
タヌキネコ says:
カウンタック、そろそろ正しい呼び方にしよう、って「クンタッシ」もすごいクルマだ。「見る人を驚かせるクルマ」を目指したというガンディーニさんには脱帽。明嵐正彦著「クンタッシ」本より