Jaguar
ジャガー
ジャガーは戦後間もなく送り出したジャガーXKシリーズ・スポーツカーの成功で、その基礎をつくり、われわれ世代には上質で英国的なサルーン、スポーツカー・ブランドとして認識されていた。ウッドと本革のインテリア、という言葉に象徴される英国車らしさは、ジャガーのテイストとも共通するものだ。
ずいぶん前のことだが、ジャガーの工場と工場に併設されている博物館を見学したことがある。クラフツマンシップ、それこそレザーとウッドの使い方など、予想していた通りの上質のつくり方が解った。ジャガーXタイプを1週間にわたって駆り出し、英国取材のアシに使わせてもらったりもした。やはり英国でのジャガーは相応のステイタスがあり、誇りでもあることを感じた。やはりジャガーはなくなってもらっては困るブランドにちがいない。
ずいぶん前のことだが、ジャガーの工場と工場に併設されている博物館を見学したことがある。クラフツマンシップ、それこそレザーとウッドの使い方など、予想していた通りの上質のつくり方が解った。ジャガーXタイプを1週間にわたって駆り出し、英国取材のアシに使わせてもらったりもした。やはり英国でのジャガーは相応のステイタスがあり、誇りでもあることを感じた。やはりジャガーはなくなってもらっては困るブランドにちがいない。
■ ジャガーEタイプ/Jaguar E type
*JAGUAR CLASSIC*
いや、ジャガーEタイプとひと口にいっても、いやスタイリングだったら絶対初期の「シリーズⅠ1/2」より前の1967年モデルまで、走らせたら「シリーズⅢ」のV12気筒エンジンの魅力に尽きる、などとミクロのやり取りが出てくるのだが、総じてジャガーEタイプのエレガントな佇まいは、英国紳士にもっともよく似合うスポーツカーとして永遠に輝きつづける。全長の半分もあるのではないかという長いノーズから、美しくすぼまるテールエンドに至るまで、まさしくこんなクルマが世にあったのか、という存在感を見せる。
いうまでもなく旧き佳き英国を代表する1台。もっというならば、英国が没落する直前の最後の輝きにも似て、ジャガーEタイプは華やかな光芒、オーラのようなものさえ感じられる。
そもそものジャガーEタイプは米国市場を強く意識してつくられた。多くのライヴァルが4気筒、それもOHVエンジンだったところに「ストレート6」、それもDOHCメカニズムを搭載して、大きなヒットとなった。最後の「シリーズⅢ」ではそれを一気にV12気筒、「ダブル6」に置き換えた。つねに最高峰を意識した、ジャガーEタイプ、といった印象を与える。
1960年代にはじまり、1975年まで世界に向けて7万2000台余、2シーター・クーペ、2+2クーペもつくられ、それらは独自の魅力を持つけれど、とりあえずジャガーEタイプはオープンに勝るものなし。永遠のシンボリックな存在である。