Fiat
フィアット
イタリアの巨人といわれたフィアット。一時期はフェラーリもアルファ・ロメオもランチアもマセラティも……傘下に収め、ということはイタリアの自動車はほとんどすべてがフィアット、というような時代もあったほど。賢明なことに、それぞれのブランドのヴァリウを活かしつつ、フィアット自身は分を弁えているかのように、小型車、大衆車、量産上級車などをつくりつづけてきた。
じゃあフィアットはつまらないか、というとそうでもない。フィアット500、600、のちのちのパンダといった小型車はキャラクターに富んでいたし、アバルトの名を借りたフィアット124アバルトや131アバルトなど、はたまた小型スポーツのフィアットX1/9など忘れられないクルマをいくつも送り出している。
あまりにも普通だったから忘れてしまっている、そんなモデルもあって、大フィアットは捨て置けないブランドのひとつ。
じゃあフィアットはつまらないか、というとそうでもない。フィアット500、600、のちのちのパンダといった小型車はキャラクターに富んでいたし、アバルトの名を借りたフィアット124アバルトや131アバルトなど、はたまた小型スポーツのフィアットX1/9など忘れられないクルマをいくつも送り出している。
あまりにも普通だったから忘れてしまっている、そんなモデルもあって、大フィアットは捨て置けないブランドのひとつ。
■ フィアット850スパイダー/Fiat 850 spider
*FIAT CLASSIC*
小さく軽量なスポーツカー。それもオープンだったりしたらなお素敵。そんな夢をそのまま実現したようなスパイダーがある。フィアット850スパイダーだ。旧き佳き1960年代のフィアットはフィアット600を中心に小型のフィアット500、少し大きなフィアット850というリア・エンジン車をラインアップしていた。そのフィアット850をベースにして、好もしいクーペ、スパイダーがラインアップされたのである。
ファストバック・スタイリングのクーペもいいけれど、やはりオープン2シーターのフィアット850スパイダーは、いっそう愉しい存在といえる。とくにスタイリングは、若き日、カロッツェリア・ベルトーネ時代のジウジアーロの作で、シンプルなラインのなかにも、寝かせて取付けられたヘッドランプなどの特徴も込められていて、コンパクトながらもよくまとまった印象を与える。フィアット850ベースということで、リア・エンジンのままだが、チューニングは少し高められており、気持ちのいい走りが味わえる。エンジン・ルーム内の情景も、エグゾストはじめ佳き時代のスポーツカーらしさが漂う。
デビュウ3年後の1968年にはマイナーチェンジが施され、エンジン排気量が少しアップされるが、同時に安全基準のために特徴的なヘッドランプが変更され、好みが分かれる。
タヌキネコ says:
フィアット850はスパイダー派とクーペ派に別れるんだろうなあ。うーん甲乙つけがたし。できれば2台とも欲しくなる。