Ferrari
フェラーリ
クルマ世界のひとつの頂点のブランド。頂点だけにいろいろプラスもマイナスもあるのは当然として、純粋に憧れさせられる存在であるのはまちがいない。われわれが子供の頃にはあまりにも遠い存在で、馴染みもなにもなかったのだが、だんだん広く知られるようになっていまや高価で高性能なクルマの代名詞のようになっている。その過程をつぶさに体験できたのは幸いであった。どこまでも高嶺の花、永遠の憧れであるのはちがいない。逆にいうと、フェラーリのような憧れのクルマがなかったら、貯金する目標を失ってしまうヒトも出てくる、というものだ。
「フェラーリでありながらフェラーリでないアイロニイ」などと気取ってディーノ246GTを手にして、写真集をつくり、いくつものフェラーリ関連の書物を世に送り出してきたのは、やはり純粋に憧れ、好きである証拠だろう。
「フェラーリでありながらフェラーリでないアイロニイ」などと気取ってディーノ246GTを手にして、写真集をつくり、いくつものフェラーリ関連の書物を世に送り出してきたのは、やはり純粋に憧れ、好きである証拠だろう。
■ フェラーリ250LM/Ferrari250LM
*FERRARI CLASSIC*
先に、なんでも欲しい1台をあげよう、という答えにフェラーリ288GTOの名前を挙げたのだが、それは雑誌のアンケートかなにかの答えでいったようなもの。一般受けをも考慮して決めた答え、もちろんそれはそれで決してウソではないのだけれど、イノウエにとって永遠の憧れ、というようなもうひとつが表題のフェラーリ250LM。いや、基本的にレースカーには興味が薄いのだが、「LM」をアシに使っている御仁の話などを訊くにつけ、ちゃんとしたカタログ・モデルとして売られたことだし、あえてこの名を挙げてみたくなる。
洋書などで見て憧れるばかりのフェラーリ250LMだったが、のちのち幸運にも何台かの「LM」を撮影し、少しばかりだがステアリングさえ握らせてもらえたことからすると、さすが1960年代の本気のフェラーリ。眺めるだけでいいからいつまでも見ていたい、そんな別世界を感じるばかりなのだった。