BMW
BMW
BMWは独特のシャープな味わいで、今や泣く子も黙ってしまうような一流ブランドになっている。みんながもて囃すものには、どことなく冷めた目を向けてしまうことが多いが、いくつかの熱狂させられるモデルが存在するのは見逃せまい。クルマ好き目線でいうと、かつての「02」シリーズや「CS」など身近かな憧れモデルの時代、それよりも前の最上級のスポーツと小型車の時代など、時代時代によってBMWは別のブランドのような印象を受ける。
1980年代以降、確かな方向性が定まったかのように、技術力とともにめきめきとヴァリエイションを拡大。少しばかり遠くへ行ってしまったような気がしなくもないが、それは「よくできた」完成形に対する無力感みたいなものか。それでもMシリーズなど、正統派スポーツには惹かれるなあ。
1980年代以降、確かな方向性が定まったかのように、技術力とともにめきめきとヴァリエイションを拡大。少しばかり遠くへ行ってしまったような気がしなくもないが、それは「よくできた」完成形に対する無力感みたいなものか。それでもMシリーズなど、正統派スポーツには惹かれるなあ。
■ BMW ビィ・エム・ダヴリュ 3.0CSi/BMW3.0CSi
*BMW CLASSIC*
いまでは各レインジにクーペやらオープンやらが揃えられて、その存在感も薄れてしまっているけれど、佳き時代、BMWのつくり出すクーペ・モデルは格別の味わいがあった。それは、1965年に発表されたBMW2000C/2000CSに端を発し、2.5CS→2800CS→3.0CSと発展していくのだが、その最終版のBMW3.0CSには燃料噴射装置を導入した3.0CSiがラインアップされていた。
その燃料噴射装置は当時のBMW2002tiiやBMW2002ターボの使っていた機械式とは異なる、ボッシュ社製の電子制御のもので、当時はまだ話題になるほど最新技術のひとつであった。エンジンは直列6気筒SOHCで、先にデビュウしたBMW上級サルーンからコンヴァートされたものだ。そのことからも解るように実用性も備えた上質なスポーティ・クーペというようなシリーズであった。インテリアや全体の雰囲気まで、それは統一されている。
魅力のポイントはそのクリーンで美しいスタイリング。最初のBMW2000Cこそ個性の強いものであったが、6気筒エンジンを導入してBMW2.5CSにチェンジされたとき、フェイスリフトが行なわれて個性よりも美しさでまとめられた。グラス・エリアの大きいクリーンな印象は、こののちもE24系BMW6シリーズに引継がれた。ドイツものは最新のものが一番、といわれはするけれど、ちょっとクラシカルな一連のBMWクーペはちょっと捨て置けない。