64)BMW2002ターボ/BMW2002 turbo

BMW

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BMWは独特のシャープな味わいで、今や泣く子も黙ってしまうような一流ブランドになっている。みんながもて囃すものには、どことなく冷めた目を向けてしまうことが多いが、いくつかの熱狂させられるモデルが存在するのは見逃せまい。クルマ好き目線でいうと、かつての「02」シリーズや「CS」など身近かな憧れモデルの時代、それよりも前の最上級のスポーツと小型車の時代など、時代時代によってBMWは別のブランドのような印象を受ける。
1980年代以降、確かな方向性が定まったかのように、技術力とともにめきめきとヴァリエイションを拡大。少しばかり遠くへ行ってしまったような気がしなくもないが、それは「よくできた」完成形に対する無力感みたいなものか。それでもMシリーズなど、正統派スポーツには惹かれるなあ。
■ BMW2002ターボ/BMW2002 turbo
*BMW CLASSIC*

 BMWのクラシックとして忘れられないひとつが「02」シリーズだ。今日の充実振りからは想像もつかないだろうが、1960年代前後のBMWは低迷のなかにあった。高級高性能車を少量生産する一方、量販のためにBMWイセッタに代表されるミニマム・カーをつくったが、世の中の変化には追いついていない状況にあった。そんななか、救世主のように登場したのがBMW「02」シリーズであった。
 BMWにとって初めての本格的量産小型車というだけでなく、今日のBMWにつづく上質な生産クウォリティを感じさせたのが大きな勝因だった。グラス・エリアの大きなクリーンなスタイリングも好感であった。4ドアが基本であったが、コンパクトな印象の2ドア、「02」シリーズがより大きな人気であった。のちにBMW3シリーズのベースとなり、しだいに上級の5シリーズ、7シリーズと展開していったBMW発展のはじまり、である。  ドイツものらしく、おなじボディに1.6L、1.8L、2.0Lのエンジンを搭載し、BMW1602/1802/2002とラインアップ。それにインジェクションを付加したBMW2002tii、さらにはターボ・チャージャ付のBMW2002ターボは、それそ別格の人気を得た。スタイリッシュでまとまった小型サルーン、それにターボ・パワーなのだから、まさしく「一粒で二度おいしい」。
 初期のターボ量産車であるBMW2002ターボは、ドカーンと効くターボ・パワーが懐かしく、また歴史上のエポックという点でも誇らしい。メーカー自身のてでドレスアップしたかのごとき外観とともに、忘れられない1台だ。

ヒイキのイケン:

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