BMW
BMW
BMWは独特のシャープな味わいで、今や泣く子も黙ってしまうような一流ブランドになっている。みんながもて囃すものには、どことなく冷めた目を向けてしまうことが多いが、いくつかの熱狂させられるモデルが存在するのは見逃せまい。クルマ好き目線でいうと、かつての「02」シリーズや「CS」など身近かな憧れモデルの時代、それよりも前の最上級のスポーツと小型車の時代など、時代時代によってBMWは別のブランドのような印象を受ける。
1980年代以降、確かな方向性が定まったかのように、技術力とともにめきめきとヴァリエイションを拡大。少しばかり遠くへ行ってしまったような気がしなくもないが、それは「よくできた」完成形に対する無力感みたいなものか。それでもMシリーズなど、正統派スポーツには惹かれるなあ。
1980年代以降、確かな方向性が定まったかのように、技術力とともにめきめきとヴァリエイションを拡大。少しばかり遠くへ行ってしまったような気がしなくもないが、それは「よくできた」完成形に対する無力感みたいなものか。それでもMシリーズなど、正統派スポーツには惹かれるなあ。
■ BMW ビィ・エム・ダヴリュ M1/BMW M1
*BMW CLASSIC*
BMWブランドのスーパーカー、BMW M1はいろいろな話題のヌシである。1970年代半ばにBMWモータースポーツ社がポルシェの牙城に喰い込むことを目的に高性能レースカーとして企画したのがそもそものはじまり。そうそう、イノウエの持っているBMW M1のプラ模型は「ランボルギーニ☆BMW」と箱に描かれている。BMWはランボルギーニ社と提携、ミドシップのシャシー周りの設計から生産までを委託し、ボディもジウジアーロ率いるイタル・デザインに依頼したのだ。しかし、当時のランボルギーニ社は業績不振で自分たちのニュウモデル、カウンタックの生産もままならない状態。イタリア的遅延に業を煮やしたBMWは、最終的に提携を解消し、独自のティームで生産に移した、といういきさつがある。先述のプラ模型はその完成を見越してつくられたのだろう。いまでは、「アウディ☆ランボルギーニ」なのだから面白い。
結局、当初の目的であるレース参戦は叶わず、ワンメイク・レースで走るなどにとどまり、むしろ、スーパーカーとしての注目を浴びることになったのだった。直列6気筒DOHC3.5Lエンジンは、イタリアン・スーパーカーのV12気筒からすれば物足りないようにみえるが、もともとがトゥーリングカー・レース用という素性は侮りがたく、走りは一級品だ。
実務的で完成度の高い印象のボディはFRP製で、フロントのグリルとリアの左右に取付けられたBMWのエンブレムが、ブランドを主張する。500台足らずが生産されただけで終わった。
タヌキネコ says:
ブームには乗り遅れた感があるけれど、独特の存在感がある。感性よりも理性に訴えるスーパーカー。