83)アルファ・ロメオ アルファ156

Alfa-romeo

アルファ・ロメオ

イタリア車が面白い、そのきっかけはアルファ・ロメオだったろうか。1960年代までのクルマ趣味において、アルファ・ロメオはイタリアンの主流であった。五感にダイレクトなスタイリング、サウンド、走り振りなど、誰が見ても格好よかったし馴染めた。周囲にアルフィスタが多く居たこともあって、身近かではあったが所有するまでにはいたらなかった。
 それにしても、アルファ・ロメオは多彩だ。クーペ・ボディは時代時代でどれもがスタイリッシュだったし、それにスペシャル・ボディというべきカロッツェリアメイドの「スペチアーレ」モデルが加わる。スパイダーも同様。持てることならミニカーのごとくに時代ごとにそろえたくなる。それだけでなく「ベルリーナ」、サルーン・ボディがこれまたなかなかの個性派揃い。
 ジゥリア・スプリントをはじめとして、いまでも街ですれ違うと「いいなあ」と思わせるアルファ・ロメオは少なくないし、アルファ156をはじめとする一連のモダンカーもひと味ちがうクルマ生活を与えてくれる。
■ アルファ・ロメオ アルファ156/Alfa-Romeo alfa156
*ALPHA-ROMEO CLASSIC*

 まだクラシックというにはほど遠いが、アルファ156はひとつ記憶にとどめておくべき存在といえる。たとえばジゥリア・スーパーに代表されるように、アルファ・ロメオはベルリーナ(サルーン)にも個性的で魅力あるモデルが少なくない。佳き時代には、とにかくパワーユニットはみんなDOHCだったのだから、勢いちょっとスーパーな性能の4ドアや、ときに商用車までが存在して、クルマ好きにの注目を集めていたのである。
 そういうなかのひとつとしてアルファ156だ。しばらく低迷が続いていたアルファ・ロメオ社がフィアット傘下になり、1987年に発表したアルファ164でふたたび息を吹き返しつつあったときに、一気に挽回し大きなヒットとなったのがアルファ156だった。

 それまで小型車レインジはアルファ75、アルファ155と四角いモデルがつづいていたときに、アルファ156はそれとは対照的なスタイリングで登場してきた。やはりアルファ・ロメオは色っぽい形でなければ、そう再認識させてくれたのがアルファ156であった。エンジンやシャシーなど多くのものを共有することで成り立っている現代のクルマ事情のなかで、スタイリングでこれほど際立っているのは、それだけで◎だ。よく観察すると、微妙な曲線を描くAピラーや後ドアのドアノブなど、よく考えられた跡が読み取れる。

 のちにスポーツワゴンや高性能ヴァージョンの「GTA」(本来は軽量化したレーシイなモデルにつかった名前だが、アルファ156GTAはパワーアップのために重量増。スポーツワゴンにも設定された)も加わるが、趣味的には初期の2.0Lを綺麗に維持する、なんていうのがいいなあ。

ヒイキのイケン:

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