Abarth
アバルト
「ビアルベーロ」とは「ビ・アルベーロ」、つまりは2本のカムシャフトを意味する。いうまでもない、クラシック・アバルトの象徴というべきDOHCエンジンのことだ。クルマは小さい方が走って小気味よい場合が多い。体にフィットし、まるで自分がパワーの塊になったかのような気分で走れたりする。アバルトは最初はフィアット車を少しチューニングして、速い小型スポーツを謳っていたのだが、レースで勝利を収めるべく次第にエスカレート。ついには、750クラスや1000、1300クラスの定勝マシーンにまで昇華する。エンジンも、ブロックこそフィアットだが、ヘッドからほとんどを新調。カリカリのチューニングに仕上げる。
ボディの方も魅力的なスタイリングのカロッツェリア・ザガート製アルミ・ボディをしつらえる。つまり、エンジンよし、スタイルよし、さらにいうなら数多くのレース勝利を記録したヒストリイもよし、小粒だけれも侮れない「永遠のアイドル」というわけだ。
その最右翼、アバルト1000ビアルベーロ。所有することは大きな誇りになる。
IMPRESSIONS アバルトに乗る粋:ABARTH 1000 bialbero
軽量ボディに強力エンジン、旧き佳き時代の速いクルマの正当派というべきものだ。唯一トラディショナルなセオリイに反するといえば、リアのエンジン、リア・ドライヴということか。それにしてもカリカリ・チューンのエンジン。スタートさせた時から腹に応える鼓動が頼もしい。小排気量エンジン故に、甲高いサウンドかと思いきや、低く迫力ある排気音なのが意外だ。
いくら本格的スポーツといっても、いまから半世紀前のクラシックだ。ギアは4段だし、ブレーキはその性能からすればかなり心許ない。サスペンションも思いのほかソフトで、充分にロールもしてくれる。それでも、アバルトを買ってひと走りすれば、充分に汗をかいてしまうほど。「元気の要るクルマ」と形容したのはウソではない、と実感したのだった。
アバルト1000ビアルベーロ、この時代は982ccで91PSを発揮していた。芸術的なエグゾストがなんとも素敵だ。
協力:カロッツェリア マチオヤジマ
http://www.abarth.co.jp/
タヌキネコ says:
小さくて軽くて、それでパワーフル。それにこのスタイリング、とくればいうことはない。