人
やっぱり
クルマは
いいもんだ
クルマ好きの同志
●クルマ好きの同志
趣味というもの、基本は個人で愉しむものではあるけれど、同好の士の存在はとても嬉しいものだ。同好というだけで、ココロ和まされてしまうし、また力強くも思えたりする。それぞれに、たとえばミニ好きとアルファ・ロメオ好き、というように好みは異なっていたとしても、お互いにクルマ好きという点では共通の思いを見出してしまう。いや、硬骨の英車党、などというのはそれはそれで尊敬してしまうけれど、それ以前に、多くのヒトは単にいま所有しているのがアルファのスパイダーというだけであって、ミニもポルシェも嫌いではないのだ。もともとはミニのクラブで出発したはずなのに、いまでは英車、イタリア車入り乱れて愉しい、などという場合も少なくない。
というわけで、クルマ好きの同志の存在は、趣味を共有するという点でもベイシックな注目点となるだろう。
「生涯自動車生活」というサブタイトルがつけられているが、趣味というもの一生もので愉しむもの。継続は力、つづけていけばいくほど新たな境地にも到達したりするというものだ。「小林彰太郎さん、ぼくたちはあなたの背中を見ながら、クルマ好きの道を学んできたんです」という帯の惹句の通り、小林彰太郎さん、もとホンダのデザイナー、佐藤允弥さん、黛健司さんのオーディオとアルファ・ロメオ生活、戸井陽司さんのフィアット生活、増井勤さんのミニカーとその延長にある1/1、と一生もの趣味を実践していらっしゃる方にお話を伺った。どれもが「珠玉」、目からウロコであった。
「真剣自動車生活」。その通り、真剣にクルマと向き合って ブガッティ遣いの故阪納誠一さん、有名な愛好家「秋田の柴田先生」のポルシェのお守をしていた尾形嘉敏さん、「ガレージ・ミニ」の河西弘幸さん、「田中板金工業所」の田中邦雄さん、「フラット4」の小森隆さん、「ピッカースレイ・ロード・ガレージ」の志村隆男さん、「プレスコット」の平武司さん、それぞれの真剣自称車生活をお訊きした。