14)BMW120i

BMW

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BMWは独特のシャープな味わいで、今や泣く子も黙ってしまうような一流ブランドになっている。みんながもて囃すものには、どことなく冷めた目を向けてしまうことが多いが、いくつかの熱狂させられるモデルが存在するのは見逃せまい。クルマ好き目線でいうと、かつての「02」シリーズや「CS」など身近かな憧れモデルの時代、それよりも前の最上級のスポーツと小型車の時代など、時代時代によってBMWは別のブランドのような印象を受ける。
1980年代以降、確かな方向性が定まったかのように、技術力とともにめきめきとヴァリエイションを拡大。少しばかり遠くへ行ってしまったような気がしなくもないが、それは「よくできた」完成形に対する無力感みたいなものか。それでもMシリーズなど、正統派スポーツには惹かれるなあ。
■BMW120i/BMW120i
*BMW NEW*

 21世紀に入って、それまでわが国のアッパーミドルの市場を分け合っている感のしたドイツ車が、こぞっていろいろなサイズにモデル・レインジを広げてきた。いわゆる「Cセグメント」と呼ばれる市場にBMWが送り出したのが「1シリーズ」。2004年の秋から日本にも登場してきたコンパクトBMWは、その年の乗り較べのなかで一番印象深かった。
 コンパクトなボディに定評のメカニズムを持ち込み、小気味よい走りを実現したBMW 120iを走らせたのだが、ひと口でいえば小さくとも手を抜いていない印象。しかし、小型だと思っていたのは、「3シリーズ」に対する「1シリーズ」というネイミング、きっちり4ドアにして濃密感を持ったスタイリングなどによる、半ばマジックのようなものだとあとで気が付いた。ホイールベース2660mm、全長は4.2m長というのだから、BMWミニなどからするとふた回りも大きくなる。とはいえ、「3シリーズ」よりは確実にコンパクトで、フロントにエンジンをおいて後軸を駆動するコンヴェンショナルなレイアウトをはじめとして、きっちり弁えてこのクラスで解るヒトには選ばれる資質を備えている。
 などと、結構べた褒めしたら、なんのなんの、クーペだのカブリオレだの、無節操にヴァリエイションを拡大してきたのには参った。

ヒイキのイケン:

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