103)ジャガーMk2(ジャガー340)

Jaguar

ジャガー

ジャガーは戦後間もなく送り出したジャガーXKシリーズ・スポーツカーの成功で、その基礎をつくり、われわれ世代には上質で英国的なサルーン、スポーツカー・ブランドとして認識されていた。ウッドと本革のインテリア、という言葉に象徴される英国車らしさは、ジャガーのテイストとも共通するものだ。
 ずいぶん前のことだが、ジャガーの工場と工場に併設されている博物館を見学したことがある。クラフツマンシップ、それこそレザーとウッドの使い方など、予想していた通りの上質のつくり方が解った。ジャガーXタイプを1週間にわたって駆り出し、英国取材のアシに使わせてもらったりもした。やはり英国でのジャガーは相応のステイタスがあり、誇りでもあることを感じた。やはりジャガーはなくなってもらっては困るブランドにちがいない。
■ ジャガーMk2/Jaguar Mk2
*JAGUAR CLASSIC*

 乗っていて「渋さ」の点で筆頭にあげたくなるひとつに「ジャガー・マーク2」がある。中央に寄ったヘッドランプ、それにジャガー・スポーツのそれに似たラジエータ・グリルをあしらうフロントから、丸やかなアウトラインを描くボディ、絞り込まれたテールエンドに至るまで、まさしく英国の古典的な優美な形に終始する。だからといって、その「ニセモノ」をつくり、それをまた有難がって所有するのには思わず眉をひそめてしまうのだが、裏を返せばそれだけひとつの「典型」として存在しつづけている、という証左でもある。
 上質な大柄サルーンを以って位置づけられていたジャガー・サルーンに、ひと回り小型のジャガー2.4サルーンが登場したのは1955年のこと。それは1959年にチェンジしてMk2になる。1967年にはふたたびチェンジされるのだがMk3とは呼ばれず単にジャガー240/340サルーンとなった。しかし、スタイリング的に共通する全部のモデルをジャガー「Mk2(マーク2)」サルーンと総称することも多い。

 さてさてジャガー「Mk2」のひとつとして、ジャガー340サルーンを撮影した。ベージュのボディカラーも英国的でしっとりとしていたが、全体のつくり、たとえばウイングの峰にあるサイドランプ上の小さなモールや後ドアの切り欠き部分の丸みなど、細かい部分のひとつひとつに「綺麗だなあ」と嘆息がつづいた。もちろんドアを開けば磨き上げられたウッドと本革のインテリア、その佇まいにすっかり虜になってしまうのだった

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ヒイキのイケン:

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